NIPT は確定診断ではない?結果の見方を正しく知る
NIPT について調べていると「精度が高い検査」「99%以上の精度」といった言葉を目にすることがあると思います。
数字だけを見ると、まるで結果がすべてを決めてくれるように感じてしまうかもしれません。
ただ実際には、NIPT は「確定診断ではない検査」です。このことを最初に正しく知っておくことが、結果を落ち着いて受け止めるためにとても大切です。
NIPT は「非確定的検査」です
NIPT は、妊婦さんの血液中に含まれる赤ちゃん由来の DNA 断片を分析し、染色体の変化の可能性を調べる検査です。
ここで大切なのは、NIPT は「可能性をみる検査」であり「診断を確定する検査ではない」という点です。そのため、陽性だった場合も陰性だった場合も、その結果だけで疾患の有無を完全に保証するものではありません。
ただ、出生前のスクリーニング検査としては精度が高い検査で、得られる情報としては十分に意味のあるものだと考えています。だからこそ、結果の意味を正しく理解したうえで受けることが大切です。

陰性的中率の高さと、当院での実績
NIPT は陰性的中率が非常に高い検査です。陰性的中率とは「陰性と判定された方のうち、実際にその疾患を有していなかった割合」のことです。
当院ではこれまで、2022 年度の開院当初より 10,000 件以上の NIPT 検査を行ってきましたが、陰性判定が出た後に「実際は検査項目に含まれていた疾患を有していた」というご報告、いわゆる偽陰性のご報告は現時点ではいただいておりません。
ここまで読んで「じゃあ陰性なら絶対大丈夫なんだ」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。ただ、ここはあえて誠実にお伝えしたいところです。
偽陰性・偽陽性は「ゼロではない」
国内の調査では、認可施設で行われた NIPT 検査でも偽陰性のご報告、つまり「NIPT では陰性だったが、実際にはダウン症などを有していた例」が報告されています。
また、実際には疾患を持っていない場合でも陽性と判定されてしまう、いわゆる偽陽性も一定数発生します。出生前検査認証制度等運営委員会の追跡調査でも、NIPT には偽陽性が一定数あることが示されています。
つまり、NIPT は精度の高い検査ですが、それでも 100%の検査ではないということです。この点は、検査の性質として大切なポイントなので、結果を受け取る前から知っておいていただきたい部分です。
陽性だったときの考え方
陽性という結果が出ると、どうしても気持ちが大きく揺れてしまうものです。ただ、陽性はあくまで「その染色体に変化がある可能性を示した」という結果であり、診断が確定したものではありません。
陽性が出た場合は、必要に応じて羊水検査などの確定的な検査で、最終的な確認を行うことになります。その際は、ひとりで抱え込まず、医療機関に相談しながら次のステップを考えていただきたいと思います。
陰性だったときの考え方
陰性という結果は、ひとつの大きな安心材料になります。
ただ、NIPT で陰性であってもすべての可能性が完全になくなるわけではありません。だからこそ、その後の妊婦健診も大切に続けていただくことをおすすめしています。
当院のフルセット検査について
当院のフルセット検査では、日本で推奨されている 13・18・21 の 3 つのトリソミーに加えて、1 番から 22 番までのすべての染色体のトリソミー、性染色体異数性疾患、5 つの微小欠失疾患について、そのすべてを陽性か陰性かで判定しています。
赤ちゃんの染色体について、ひとつでも多く確認しておきたいと考える方には、選びやすい内容になっています。
一方で、検査項目が増えるほど結果の解釈に迷うこともあります。そのため、検査内容や結果の意味について気になることがあれば、検査前でも検査後でも、遠慮なくお尋ねいただきたいと思います。
「陽性か陰性か」だけで終わらせないために
NIPT の結果は、最終的には陽性か陰性かで判定されます。ただ、その一文字に込められている意味は、ご家族にとって決して軽いものではありません。
だからこそ、結果が出る前も、出た後も「これってどういう意味ですか?」「自分の場合はどう考えればいいですか?」といった疑問は、どんなことでもお気軽にお尋ねください。できる限り親身に対応させていただきます。
NIPT は、精度の高い検査ですが、確定診断ではない検査です。だからこそ、結果の見方を正しく知ったうえで受けていただくことが、いちばんの安心につながります。
【参考文献】
・プレママクリニック 公式サイト https://www.premama.clinic/
・プレママクリニック 検査の流れ https://www.premama.clinic/flow/
・公益社団法人日本産科婦人科学会「母体血を用いた出生前遺伝学的検査(NIPT)に関する指針」 https://www.jsog.or.jp/news/pdf/NIPT_kaiteishishin.pdf
・日本産科婦人科学会 NIPT 関連資料 https://www.jsog.or.jp/news/pdf/NIPT_202301.pdf
・出生前検査認証制度等運営委員会/日本医学会「NIPT を受けた 10 万人の妊婦さんの追跡調査」 https://jams-prenatal.jp/testing/nipt/follow-up-survey/
・厚生労働省 NIPT 関連資料(NIPT コンソーシアム提出資料を含む) https://www.mhlw.go.jp/content/11908000/000559098.pdf
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- 公開中 第3回:NIPT は確定診断ではない?結果の見方を正しく知る(現在閲覧中)