プレママクリニックの NIPT「フルセット検査」と「ライト検査」の違い
NIPT を受けようと決めたあと、次に迷いやすいのが「どのプランを選べばいいの?」というポイントではないでしょうか。プレママクリニックでは、「フルセット検査」と「ライト検査」の2 つのプランをご用意しています。
名前だけを見ると「フルセットのほうがいろいろ調べてくれるのかな」というイメージを持たれる方が多いのですが、実際にはそれぞれのプランに向いている方が少しずつ異なります。「安いほうでいいかな」「せっかくなら全部調べておこう」。どちらのお気持ちもとても自然なものです。
この記事では、料金や他院との比較といった話はいったん脇に置いて、「どちらのプランが自分に合っているのか」を判断するために必要な情報を、やさしく整理していきます。
2 つの検査の違いは「調べる範囲」
端的にお伝えすると、ライト検査は「知りたい 1 つの疾患にしぼって調べる検査」、フルセット検査は「NIPT で調べられる染色体の情報を、幅広く一度に確認する検査」です。
- ・ライト検査:13 トリソミー・18 トリソミー・21 トリソミー(ダウン症)のうち 1 つを選んで調べます。性別判定は含まれません。
- ・フルセット検査:13・18・21 の 3 つのトリソミーに加え、全常染色体(1〜22 番)のトリソミー、性染色体の異常、微小欠失、性別判定まで、まとめて確認できます。
どちらのプランにも、日本で NIPT の中心となっている 13・18・21 トリソミーの 3 疾患は含まれています。ここは共通の土台とお考えください。
イメージで見る:2 つのプランの「調べられる範囲」
文字だけではイメージがつかみにくい部分もあるので、まずは図で全体のイメージを掴んでみます。
ひと目でわかる比較表
さらに、項目ごとの違いを表で並べて確認してみましょう。
| 比較項目 | ライト検査 | フルセット検査 |
|---|---|---|
| 調べる対象 | 13・18・21 トリソミーのうち 1 つを選択 | 13・18・21 トリソミー+ 全常染色体トリソミー(1〜22 番)+ 性染色体異常+ 微小欠失 |
| 性別判定 *希望者のみ | 含まれません | 含まれます |
| 知りたいことの範囲 | ピンポイントで確認したい | 調べられることは幅広く知っておきたい |
| こんな方におすすめ | 「ダウン症だけ知っておきたい」など、目的がはっきりしている方 | 「せっかく受けるなら、NIPT で分かる範囲は一通り知っておきたい」という方 |
| 検査方法 | 採血のみ | 採血のみ(負担は同じです) |
| 来院回数・所要時間 | 1 回のご来院で完了 | 1 回のご来院で完了 |
検査の受け方(採血)や、母体・赤ちゃんへの負担については、どちらのプランでも変わりません。違ってくるのは、あくまで「採血した血液から、どこまでの情報を読み取るか」というところだけです。
ライト検査:「これだけ知っておきたい」に応えるシンプルなプラン
ライト検査は、13 番・18 番・21 番のうち、あらかじめ 1 つを選んで検査するプランです。
たとえば「家族や周りの話を聞いて、まずダウン症(21 トリソミー)だけは確認しておきたい」といったように、知りたいことがはっきりしている方に向いています。目的が明確なぶん、余分な情報が結果に含まれず、シンプルに受け止められるのが特徴です。
ライト検査で分からないこと
- ・選んだ 1 つ以外の 2 つのトリソミー
- ・性別
- ・性染色体の異常(ターナー症候群、クラインフェルター症候群など)
- ・微小欠失(後述の 5 疾患)
あとから“やっぱり他も気になる…”とならないかを、ご自身のお気持ちに照らして考えていただくと選びやすくなります。
フルセット検査:NIPT で分かる範囲を一通り確認できるプラン
フルセット検査は、NIPT という検査で読み取れる情報を、幅広く一度に確認するプランです。含まれている検査内容を整理すると、次のようになります。
① 13・18・21 トリソミー
NIPT の中心となる 3 疾患。日本の NIPT 認証制度でも、この 3 つが対象とされています(後ほど詳しく触れます)。
② 全常染色体(1〜22 番)のトリソミー
上記 3 つ以外の常染色体トリソミーについても幅広く確認します。
③ 性染色体の異常
性染色体(X・Y)の数の違いに関わる疾患です。
④ 微小欠失(重要な 5 疾患)
染色体のごく一部が欠けていることで起こる疾患群です。
⑤ 性別判定
男の子・女の子の判定が結果に含まれます。
「せっかく受けるなら、NIPT で分かることは一通り知っておきたい」という方や、「あとで“調べておけばよかった”と迷いたくない」という方には、フルセット検査が安心につながりやすいプランと言えます。
フルセット検査で追加される疾患の概略
「性染色体異常」や「微小欠失」と言われても、初めて聞く言葉が並ぶと少し不安に感じるかもしれません。ここでは、それぞれがどんな病気で、どのくらいの頻度でみられるのかを、ごく簡単にご紹介します。
【この記事での扱いについて】各疾患の詳しい特徴・症状・受け止め方については、別のコラムで一つずつ丁寧にお伝えする予定です。ここでは「こんな疾患があるんだな」というイメージだけつかんでいただければ十分です。
性染色体の異常
性染色体(X・Y)の数の違いによって起こる疾患です。フルセット検査では、主に次のような疾患を確認します。
| 疾患名 | 出生頻度の目安 | ごく簡単な特徴 |
|---|---|---|
| ターナー症候群(モノソミーX) | 出生女児 約 2,500 人に 1 人 | リンパ浮腫、外反肘などがみられることがあります |
| トリプル X 症候群(トリソミーX) | 出生女児 約 1,000 人に 1 人 | 曲がった小指、精神発達への影響などがみられることがあります |
| クラインフェルター症候群(XXY) | 出生男児 約 1,000 人に 1 人 | 女性化乳房、不妊症などとの関連が知られています |
| ヤコブ症候群(XYY) | 出生男児 約 1,000 人に 1 人 | 学習障害、ADHD などとの関連が指摘されています |
微小欠失(重要な 5 疾患)
染色体の一部が小さく欠けている(欠失している)ことで起こる疾患群です。トリソミーとは異なる仕組みで起こり、母体の年齢とはあまり関係なく、どの妊娠でも一定の頻度で起こり得るとされています。
| 疾患名 | 欠失部位 | ごく簡単な特徴 |
|---|---|---|
| 1p36 欠失症候群 | 1p36 | 特徴的な顔貌、発達の遅れ、知的障害など |
| ウォルフ・ヒルシュホーン症候群 | 4p16.3 | 特徴的な顔貌、重度の精神発達の遅れなど |
| クリ・デュ・チャット症候群(猫鳴き症候群) | 5p15.2 | 先天性心疾患、精神・運動発達の遅れなど |
| プラダー・ウィリー/アンジェルマン症候群 | 15q11.2 | 筋緊張の低下、摂食の問題、認知への影響など |
| ディジョージ症候群 | 22q11.2 | 口蓋・顔貌の異常、軽度の知的障害など |
いずれも、単独では発生頻度がそれほど高くない疾患ですが、「合わせるとゼロではない頻度」で起こることが知られています。フルセット検査では、これらをまとめて確認できます。

【図 3】主な微小欠失症候群のおおよその出生頻度。1 件あたりの頻度は高くないものの、合計するとゼロではない頻度で起こります。(出典:難病情報センター、GeneReviews、MedlinePlus Genetics 等)
「日本の NIPT の中心」となっている 3 つの疾患について
プランを選ぶうえで、もう 1 つ知っておいていただきたいことがあります。
日本では現在、日本医学会「出生前検査認証制度等運営委員会」による認証制度のもとで、認証施設における NIPT の対象疾患を、13 トリソミー・18 トリソミー・21 トリソミーの 3 疾患と定めています。厚生労働省の専門委員会でも、この 3 つのトリソミーを中心に NIPT のあり方を整理する方針が示されています。
理由はさまざまですが、大きくは次のようなことが背景にあります。
- ・ヒトで出生に至り得る常染色体トリソミーは、主に 21・18・13 であること
- ・3 疾患それぞれについて、比較的多くのデータがあり、検査精度や結果の解釈が確立されていること言い換えると、この 3 つは「NIPT を受けるなら、まず押さえておきたい」と位置づけられている疾患とも言えます。
ここで大事なポイントは、プレママクリニックでは、
- ・ライト検査を選んだ場合でも、この 3 つのうち気になる 1 つを選んで検査でき、
- ・フルセット検査を選んだ場合は、この 3 つがすべて自動的に含まれ、そのうえで、性染色体・微小欠失・性別判定・その他の常染色体トリソミーまで一度に確認できるということです。「3 つとも押さえておきたい」と感じる場合には、結果的にフルセット検査がその条件を満たすかたちになります。
どのように選べばよい? 迷ったときの考え方
ここまでの内容をふまえて、「じゃあ結局どちらを選べばいいの?」という部分を、判断のヒントとして整理してみます。どちらが正しい・優れているという話ではなく、「ご自身が何を知りたいか」で決めていただくものです。
ライト検査が向いている方
- ・知りたいことが 1 つに絞れている方(例:「まずダウン症だけ確認したい」)
- ・性別や、そのほかの疾患情報は今回はいらないと感じる方
- ・情報量をシンプルに保ちたい方
フルセット検査が向いている方
- ・NIPT で分かる範囲は、一通り確認しておきたい方
- ・13・18・21 トリソミー、3 つとも押さえておきたい方
- ・性染色体の異常や微小欠失についても「気になるなら見ておきたい」と感じる方
- ・性別も一緒に知りたい方
- ・あとで「調べておけばよかったかも」と迷いたくない方
まとめ
最後に、この記事の要点をまとめます。
- ・ライト検査:13・18・21 のうち 1 つを選んで調べる、シンプルで目的のはっきりしたプラン。性別判定は含まれません。
- ・フルセット検査:13・18・21 の 3 つすべてに加え、全常染色体トリソミー・性染色体異常・微小欠失・性別判定までカバーする、幅広く確認できるプラン。
- ・どちらのプランでも、採血のみという検査方法や、母体・赤ちゃんへの負担の少なさは変わりません。
- ・日本の認証制度では 13・18・21 の 3 疾患が NIPT の中心とされており、どちらのプランでも、この 3 疾患のいずれかは必ず対象になります。
「たくさん調べたほうが必ず良い」というものではありませんし、「必要最小限がいちばん賢い」というものでもありません。ご自身が何を知って安心したいのか、どこまでを今回のタイミングで確認しておきたいのか。そのお気持ちに合うほうを選んでいただくのが、いちばんよい選び方だと私たちは考えています。
プレママクリニックでは、どちらのプランをお選びいただいた場合でも、丁寧にご説明することを大切にしています。気になることがあれば、どんなに小さなことでもどうぞお尋ねください。医師との診察では、医学的なご相談もお気軽にどうぞ。
【参考文献】
- ・プレママクリニック 公式サイト https://www.premama.clinic/
- ・プレママクリニック 検査プランについて https://www.premama.clinic/plan/
- ・プレママクリニック 検査の流れ https://www.premama.clinic/flow/
- ・公益社団法人日本産科婦人科学会「母体血を用いた出生前遺伝学的検査(NIPT)に関する指針」https://www.jsog.or.jp/news/pdf/NIPT_kaiteishishin.pdf
- ・出生前検査認証制度等運営委員会/日本医学会「NIPT(非侵襲性出生前遺伝学的検査)とは」 https://jams-prenatal.jp/testing/nipt/
- ・出生前検査認証制度等運営委員会/日本医学会「NIPT を受けた 10 万人の妊婦さんの追跡調査」https://jams-prenatal.jp/testing/nipt/follow-up-survey/
- ・厚生労働省「NIPT 等の出生前検査に関する専門委員会報告書」https://www.mhlw.go.jp/content/000783387.pdf
- ・厚生労働省 NIPT 関連資料(NIPT コンソーシアム提出資料を含む)https://www.mhlw.go.jp/content/11908000/000559098.pdf
- ・Gil MM, Accurti V, Santacruz B, Plana MN, Nicolaides KH. Analysis of cell-free DNA in maternal blood in screening for aneuploidies: updated meta-analysis. Ultrasound Obstet Gynecol. 2017;50(3):302-314. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28397325/
- ・難病情報センター「1p36 欠失症候群」 https://www.nanbyou.or.jp/entry/4496
- ・難病情報センター「4p 欠失症候群(ウォルフ・ヒルシュホーン症候群)」https://www.nanbyou.or.jp/entry/4804
- ・難病情報センター「5p 欠失症候群(クリ・デュ・チャット症候群)」https://www.nanbyou.or.jp/entry/4863
- ・難病情報センター「アンジェルマン症候群」 https://www.nanbyou.or.jp/entry/4771
- ・難病情報センター「22q11.2 欠失症候群(ディジョージ症候群)」 https://www.nanbyou.or.jp/entry/5317
- ・GeneReviews Japan「22q11.2 欠失症候群」 https://grj.umin.jp/grj/22q11_2.htm
- ・GeneReviews Japan「プラダー・ウィリー症候群」 https://grj.umin.jp/grj/pws.htm
空き枠確認・Web予約はもちろん、情報収集や事前相談には公式LINEをご活用ください。
- 公開中 第6回:プレママクリニックのNIPT「フルセット検査」と「ライト検査」の違い(現在閲覧中)


